<p align="right"><span class="small-text">公開日: 2024-11-21<br>更新日: 2024-8-5
</span></p>
# 詩編91
先日、信仰はおおらかさも伴う概念である、という内容の[記事を書いた](https://carduelis.page/essays/2022/0609)。
そして今日、YouTubeを見ていたらグレゴリオ聖歌の詩篇91の動画を見つけた。グレゴリオ聖歌は1000年ほど前に成立した、ラテン語聖書にもとづいて歌われるヨーロッパの古い古い賛美歌である。
見つけたヴァージョンは女性パートがあり、非常に良いものだった。
[**グレゴリオ聖歌とは - コトバンク**](https://kotobank.jp/word/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%82%AA%E8%81%96%E6%AD%8C-57505)
詩篇91は[ジョー・マキュー](https://ieji.org/2020/4721)も本のなかで引用していた聖書箇所だ。ステップ11の解説箇所には以下のようにある。
> 私は聖書の次の言葉が好きだ。「夜、おびやかすものをも、昼、飛んでくる矢をも、恐れることはない。暗闇のなかを行く疾病も、真昼に襲う病魔も」(詩篇91:5~6)
> 何千本もの矢が、野にいる自分に向かって飛んでくる光景を想像できるだろうか? **神はそれらの矢を通じて私たちを導くことができる。** 私たちにはできないが、神は「矢」や「疾病」を通じても、私たちを導くことができるのである![^1]
ここでも、神に対するおおらかな信頼が表明されている。「神さまに任せてりゃ、守ってくれるからさ」という感じの信頼感と慰めである。
グレゴリオ聖歌は単純な旋律の上に豊かなスピリチュアリティがある。
こういった世界の宗教の実例を知ることも良いことなので、動画と詩篇本文の紹介をした。
グレゴリオ聖歌とともに、詩篇を読んで楽しんでほしい。
[**動画 : PSALM 90 / 91 (Gregorian chant**) ](https://www.youtube.com/watch?v=sQNJs89E6x8)
> **詩篇 91**
>
> 1 いと高き神のもとに身を寄せて隠れ
> 全能の神の陰に宿る人よ
> 2 主に申し上げよ
> 「わたしの避けどころ、砦
> わたしの神、依り頼む方」と。
>
> 3 神はあなたを救い出してくださる
> 仕掛けられた罠から、陥れる言葉から。
> 4 神は羽をもってあなたを覆い
> 翼の下にかばってくださる。
> 神のまことは大盾、小盾。
> 5 夜、脅かすものをも
> 昼、飛んで来る矢をも、恐れることはない。
> 6 暗黒の中を行く疫病も
> 真昼に襲う病魔も
> 7 あなたの傍らに一千の人
> あなたの右に一万の人が倒れるときすら
> あなたを襲うことはない。
> 8 あなたの目が、それを眺めるのみ。
> 神に逆らう者の受ける報いを見ているのみ。
> 9 あなたは主を避けどころとし
> いと高き神を宿るところとした。
> 10 あなたには災難もふりかかることがなく
> 天幕には疫病も触れることがない。
> 11 主はあなたのために、御使いに命じて
> あなたの道のどこにおいても守らせてくださる。
> 12 彼らはあなたをその手にのせて運び
> 足が石に当たらないように守る。
> 13 あなたは獅子と毒蛇を踏みにじり
> 獅子の子と大蛇を踏んで行く。
>
> 14「彼はわたしを慕う者だから
> 彼を災いから逃れさせよう。
> わたしの名を知る者だから、彼を高く上げよう。
> 15 彼がわたしを呼び求めるとき、彼に答え
> 苦難の襲うとき、彼と共にいて助け
> 彼に名誉を与えよう。
> 16 生涯、彼を満ち足らせ
> わたしの救いを彼に見せよう。」[^2]
[^1]: ジョー・マキュー, 2008, 『[回復の「ステップ」](http://kaifukuken.shop-pro.jp/?pid=102236977)』 依存症からの回復研究会, 147.
[^2]: 旧約聖書 詩篇91, 聖書協会共同訳.